ビートダウンの戦略と戦術~in川崎レポート①~
2011年6月23日 趣味かつてデュエリストジャパンに連載されていたコラムに孫子の兵法というものがあった。法家の大家である孫子の引用でそれをMTGに置き換えたものである。
特に印象に残った文章はないのだが・・・。戦略と戦術という概念を持ってMTGを戦うということは一つの新しい価値観だった。こと当時中学生の私にとっては。
・戦略編
デッキ構築にあたってまずカウブレードにいかに勝つかから始まった。
1.いかに鷹の防御網を突破するか?
2.いかに石鍛冶・装備品を無力化するか?
3.いかにカウのスペルを弱く使わせるか?
チャンプブロッカーに対して除去を撃つのは得策ではない。クリーチャーで突破する方法はトランプル、プロテクション、赤英雄などだ。
石鍛冶パッケージを無力化するにはまず橋頭堡たる石鍛冶を除去することだ。故に2ターン目に除去スペルを打つことは必須項目である。そしてその時点でアドを失っているため後続に控える装備品をアド損なしで破壊する方法が必要となる。それにはCIB効果が望ましい。
カウのスペルはリーク、ピアス、ロイル、捧げ物、四肢切断、そしてジェイス、ギデオンだ。クリーチャーデッキである時点で除去を打たれるのは仕方がない。しかし全体除去の枚数は限りなく少ない。故に横に並べるプランは限りなく有効である。
導き出された答えは「同盟者」だった。
順序は逆だが同盟者の弱点は全体除去であることは明白だ。1体1体の戦場に出ているクリーチャーに後続のクリーチャーの強さが依存するのだから当然である。単体では弱いが全体で強い。全体で強いが単体では弱い。これが同盟者である。
そして現在、どれだけのデッキが全体除去を積んでいるだろうか?メインから全体除去を使うデッキは?そう、ないのだ。
では除去は何か?四肢切断、唱えるのに4ライフ損失を誘発するスペルだ。
ライフゲインされるのでは?そのガンたるモノは殴打頭蓋、赤白剣である。そしてアーティファクト。
ピアス、捧げ物の価値を下げるべく極力アーティファクトと非クリーチャースペルは使わない。
・メインに全除去は積まれない
・四肢切断がメイン除去である限りビートダウンは有効
・ライフ損失を補う頭蓋、赤白剣をメインから無理なく破壊できるデッキ
すべての命題を包括して戦えるデッキ、それが同盟者である。
刀狩り同盟者ver6/12
ハーダ 4
カザンドゥ 4
オランリーフ 4
カビーラ 4
ヘイラバズ 3
城壁の聖騎士 4
タクタク 3
稲妻 4
電弧 3
暴走の先導 3
平地 5
山 3
赤緑ミランド 4
白緑ミランド 4
赤白フェッチ 4
赤緑ミシュラン 2
白緑M10ランド 2
・戦術編
もちろんこれですべてに対して勝てる訳ではない。メインでのカウとの相性は7:3取れる自信があるが、トータルでの勝ち、マッチを取る為には戦術が必要不可欠だ。要点は2戦目以降、サイドボードに移る。
まず大切な事は自分が「攻め」か「受け」かということだ。単純な先手後手の話ではない。もちろんビートダウンである以上「攻め」るデッキであることは間違いない。しかし相手もビートダウンだった場合はどうだろうか。
「攻め」対「攻め」の場合限りなく先手有利、しかも初手の重要度はかなり高い。つまり運の要素でゲームの結果が左右されることとなる。長丁場を勝ちきるつもりならできれば避けたい要素だ。「攻め」対「受け」の場合は相手の「攻め」押しとどめる、勢いを削ぐことができれば後は自然と勝ちが手に入る。要は相手に息切れをさせればいいのだ。
ビート対ビートでのデッキそのもの攻防の境目はそのマナ域。極端な例だとゴブナイトは常に3ターン目までに手札を使い切るようにデザインされている。序盤で攻め、中盤で決め、終盤を与えない。ゴブナイトを相手にした場合すべてのデッキが受けに回らざるを得ないのである。吸血鬼、赤単も序盤が大切である。ボロスは多少長期戦でも耐えうる。白緑は中盤以降も分厚い攻めを展開できる。
相手の一番強い時期をいかに短くできるか、これがMTGで勝つ上での重要な戦術である。
同盟者は初速はゴブナイト、赤単ほど早くはない。中盤以降は白緑の物量とカードパワーに押されてしまう。ボロスほどの爆発力もない。
いいところないビートのようだが多種多様なCIB生物のおかげでかなり柔軟な対応が可能である。
自分より序盤早いということはライフを詰めるのが相手のほうが上手ということ。だったらライフを得ればいい。オンドゥと聖騎士の出番だ。
相手も除去を増量して消耗戦に持ち込む気ならこっちもミミックの大桶でアドバンテージ勝負。
中盤以降が不安ならこっちが「攻め」て中盤を与えない。軽量火力とテンポでステロイドのように攻めきることだってできるのだ。
サイドボード
ミミックの大桶 2 ・・・長期戦、消耗戦を見据えたアドバンテージ獲得
炎の斬りつけ 3 ・・・追加の除去、総督、白英雄対策
苦行主義 2 ・・・後述
攻撃的な行動 2 ・・・ヴァラ、双子対策
帰化 2 ・・・双子、装備品対策、稀に昇天
オンドゥ 3 ・・・対赤系ビート対策
タクタク 1 ・・・追加の茶除去
・なぜ苦行主義なのか?
これは対カウ用のシークレットカードである。2戦目以降のカウはピアスを抜き除去を増やしてくる。もちろんデイジャも入るだろう。相手が完全に受けにまわるサイドプランだ。最低7枚の除去を積んだカウが苦行主義に対して出来ることはあるだろうか?限りなくないのだ。
手札の除去は打てず、バウンスもタップ状態のクリーチャーを破壊することもできない。デイジャですら再生を許してしまう。カウンターしようにもピアスはすべてサイドアウトだ。唯一の対抗手段である殴打頭蓋さえタクタクで抑えてしまえばあとはプロテクションがライフを削りきってくれる。タクタクのダメージをPWに置換してジェイスを仕留めることだってあるだろう。
ここまでがひらめきと調整した結果導き出された戦略と戦術である。メインカウ圧勝の矛とサイド後柔軟なプラン構築の盾をもって日本選手権川崎2次を戦う。
レポはまた明日。実践を経て確信と誤算が見え隠れすることとなる。
特に印象に残った文章はないのだが・・・。戦略と戦術という概念を持ってMTGを戦うということは一つの新しい価値観だった。こと当時中学生の私にとっては。
・戦略編
デッキ構築にあたってまずカウブレードにいかに勝つかから始まった。
1.いかに鷹の防御網を突破するか?
2.いかに石鍛冶・装備品を無力化するか?
3.いかにカウのスペルを弱く使わせるか?
チャンプブロッカーに対して除去を撃つのは得策ではない。クリーチャーで突破する方法はトランプル、プロテクション、赤英雄などだ。
石鍛冶パッケージを無力化するにはまず橋頭堡たる石鍛冶を除去することだ。故に2ターン目に除去スペルを打つことは必須項目である。そしてその時点でアドを失っているため後続に控える装備品をアド損なしで破壊する方法が必要となる。それにはCIB効果が望ましい。
カウのスペルはリーク、ピアス、ロイル、捧げ物、四肢切断、そしてジェイス、ギデオンだ。クリーチャーデッキである時点で除去を打たれるのは仕方がない。しかし全体除去の枚数は限りなく少ない。故に横に並べるプランは限りなく有効である。
導き出された答えは「同盟者」だった。
順序は逆だが同盟者の弱点は全体除去であることは明白だ。1体1体の戦場に出ているクリーチャーに後続のクリーチャーの強さが依存するのだから当然である。単体では弱いが全体で強い。全体で強いが単体では弱い。これが同盟者である。
そして現在、どれだけのデッキが全体除去を積んでいるだろうか?メインから全体除去を使うデッキは?そう、ないのだ。
では除去は何か?四肢切断、唱えるのに4ライフ損失を誘発するスペルだ。
ライフゲインされるのでは?そのガンたるモノは殴打頭蓋、赤白剣である。そしてアーティファクト。
ピアス、捧げ物の価値を下げるべく極力アーティファクトと非クリーチャースペルは使わない。
・メインに全除去は積まれない
・四肢切断がメイン除去である限りビートダウンは有効
・ライフ損失を補う頭蓋、赤白剣をメインから無理なく破壊できるデッキ
すべての命題を包括して戦えるデッキ、それが同盟者である。
刀狩り同盟者ver6/12
ハーダ 4
カザンドゥ 4
オランリーフ 4
カビーラ 4
ヘイラバズ 3
城壁の聖騎士 4
タクタク 3
稲妻 4
電弧 3
暴走の先導 3
平地 5
山 3
赤緑ミランド 4
白緑ミランド 4
赤白フェッチ 4
赤緑ミシュラン 2
白緑M10ランド 2
・戦術編
もちろんこれですべてに対して勝てる訳ではない。メインでのカウとの相性は7:3取れる自信があるが、トータルでの勝ち、マッチを取る為には戦術が必要不可欠だ。要点は2戦目以降、サイドボードに移る。
まず大切な事は自分が「攻め」か「受け」かということだ。単純な先手後手の話ではない。もちろんビートダウンである以上「攻め」るデッキであることは間違いない。しかし相手もビートダウンだった場合はどうだろうか。
「攻め」対「攻め」の場合限りなく先手有利、しかも初手の重要度はかなり高い。つまり運の要素でゲームの結果が左右されることとなる。長丁場を勝ちきるつもりならできれば避けたい要素だ。「攻め」対「受け」の場合は相手の「攻め」押しとどめる、勢いを削ぐことができれば後は自然と勝ちが手に入る。要は相手に息切れをさせればいいのだ。
ビート対ビートでのデッキそのもの攻防の境目はそのマナ域。極端な例だとゴブナイトは常に3ターン目までに手札を使い切るようにデザインされている。序盤で攻め、中盤で決め、終盤を与えない。ゴブナイトを相手にした場合すべてのデッキが受けに回らざるを得ないのである。吸血鬼、赤単も序盤が大切である。ボロスは多少長期戦でも耐えうる。白緑は中盤以降も分厚い攻めを展開できる。
相手の一番強い時期をいかに短くできるか、これがMTGで勝つ上での重要な戦術である。
同盟者は初速はゴブナイト、赤単ほど早くはない。中盤以降は白緑の物量とカードパワーに押されてしまう。ボロスほどの爆発力もない。
いいところないビートのようだが多種多様なCIB生物のおかげでかなり柔軟な対応が可能である。
自分より序盤早いということはライフを詰めるのが相手のほうが上手ということ。だったらライフを得ればいい。オンドゥと聖騎士の出番だ。
相手も除去を増量して消耗戦に持ち込む気ならこっちもミミックの大桶でアドバンテージ勝負。
中盤以降が不安ならこっちが「攻め」て中盤を与えない。軽量火力とテンポでステロイドのように攻めきることだってできるのだ。
サイドボード
ミミックの大桶 2 ・・・長期戦、消耗戦を見据えたアドバンテージ獲得
炎の斬りつけ 3 ・・・追加の除去、総督、白英雄対策
苦行主義 2 ・・・後述
攻撃的な行動 2 ・・・ヴァラ、双子対策
帰化 2 ・・・双子、装備品対策、稀に昇天
オンドゥ 3 ・・・対赤系ビート対策
タクタク 1 ・・・追加の茶除去
・なぜ苦行主義なのか?
これは対カウ用のシークレットカードである。2戦目以降のカウはピアスを抜き除去を増やしてくる。もちろんデイジャも入るだろう。相手が完全に受けにまわるサイドプランだ。最低7枚の除去を積んだカウが苦行主義に対して出来ることはあるだろうか?限りなくないのだ。
手札の除去は打てず、バウンスもタップ状態のクリーチャーを破壊することもできない。デイジャですら再生を許してしまう。カウンターしようにもピアスはすべてサイドアウトだ。唯一の対抗手段である殴打頭蓋さえタクタクで抑えてしまえばあとはプロテクションがライフを削りきってくれる。タクタクのダメージをPWに置換してジェイスを仕留めることだってあるだろう。
ここまでがひらめきと調整した結果導き出された戦略と戦術である。メインカウ圧勝の矛とサイド後柔軟なプラン構築の盾をもって日本選手権川崎2次を戦う。
レポはまた明日。実践を経て確信と誤算が見え隠れすることとなる。
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