【考察】TomRossのバントヒロイックのメカニズム【このデッキすごいよ】
2015年4月17日 趣味 コメント (2)こんばんは、白キコです。
先週末はバントヒロイックでFNMとPPTQに参加しましたが権利は取れませんでした。トータルで8-3-1とイマイチぱっとしませんがヒロイックの弱点を補完したドロモカの命令は収穫でした。PPTQは以下のデッキを75枚完コピで参加しています。
バントヒロイック デザイナー:Tom Ross
1:《森/Forest》
1:《島/Island》
4:《平地/Plains》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4:《マナの合流点/Mana Confluence》
3:《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
21 lands
4:《戦識の重装歩兵/Battlewise Hoplite》
4:《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite》
4:《イロアスの英雄/Hero of Iroas》
1:《ラゴンナ団の先駆者/Lagonna-Band Trailblazer》
4:《道の探求者/Seeker of the Way》
17 creatures
2:《液態化/Aqueous Form》
2:《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod》
4:《タッサの試練/Ordeal of Thassa》
1:《魂の基点/Center Soul》
4:《果敢な一撃/Defiant Strike》
4:《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》
4:《神々の思し召し/Gods Willing》
1:《宝船の巡航/Treasure Cruise》
22 other spells
1:《ラゴンナ団の先駆者/Lagonna-Band Trailblazer》
2:《僧院の導師/Monastery Mentor》
2:《氷固め/Encase in Ice》
2:《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod》
1:《アジャニの存在/Ajani’s Presence》
4:《頑固な否認/Stubborn Denial》
2:《宝船の巡航/Treasure Cruise》
1:《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
15 sideboard cards
まず特筆すべきはメインランド21、サイドに1枚落とされている啓蒙の神殿です。同様にメイン1枚のラゴンナ団の先駆者も見逃せません。
コピーデッキをプレイする上で最も気にかけるのがオリジナルのプレーヤーはどのような意図でこのような構築をしてどのようなサイドボーディングをするのかということです。
まずヒロイックをプレイして感じるのがフラッドすると死ぬという事です。3マナ以上のスペルを必要としないデッキなのでランドは2枚でも十分機能します。しかしリアクションカードを多数取っている為4マナまではスムーズに伸びてほしい、しかし5枚以上引くと死ねるという非常にデリケートな、ムラが無い引きを要求されるデッキなのです。巡礼者型はそもそも巡礼者が3マナなので多少土地を引きすぎても誤魔化せましたがスピード特化型はそうはいきません。土地22ではフラッドしてしまいます。なのですべてのヒロイック非巡礼者型は土地21枚で統一されています。
このマナベースは十分納得できます、しかし反面では矛盾が孕んでいるのです。4枚入っている果敢な一撃、いわゆるキャントリップスペルで潤滑油、ヒロイック、打点を満たす不可欠な要素です。ではサイド後、サイドアウトされるのは何でしょうか?
ヒロイックは全部で4つの要素で出来ています。
・土地
・生物
・オーラ
・リアクションスペル
どれが欠けてもデッキ完成度として片手落ちです。最低2枚の土地、最低1枚の生物、オーラ、リアクションスペル、これが初手で必要なのです。キープ基準は2枚の土地と1枚の生物で十分ですが、勝つためには試練とプロテクションが必要であり、それを引き込むのが果敢な一撃であり占術土地です。話を戻します、矛盾するようですがこの中でサイドアウトされるのが果敢な一撃なのです。3~5枚サイドインするにあたり全抜きはしませんが2、3枚の果敢な一撃はサイドアウトされます。理由は最も目的意識が薄いからと言っていいでしょう、少なくともキープ基準となり得ません。土地を伸ばすことが重要なコントロールのキャントリップと違いあくまでも生物を出してクロックを継続させなければいけないので生物は減らせません。オーラはヘリオッドの試練、液体化とありますがこれらは相手を選んで減らしますがクロック、回避を得るためには必要な要素です。
体感ですが後手で土地21枚は適正、先手で21枚は少ないという印象を受けました。3色デッキという事も少なかれ影響しています。青白英雄的では1マナ生物4、タップイン6のバランスでした。バントでは1マナ生物5、タップイン3です。正直タップインは少ないに越したことは無いですし、フラッドしたくないので土地21、タップイン無しが理想です。また1マナ生物を最大7枚は使用したいというアグロを維持するには必要な枚数もあります。
タップインを使用するという事は事実上1ターン目のアクションを放棄しているので0.5マナで占術しているようなイメージです。つまり3枚のタップインは1マナアクションに近いと言っていいでしょう。
1枚メインに入っているラゴンナ団、1枚サイドに入っている占術土地これらがここにある意図は何か?
使用していて1つの結論に達しました。
「このデッキは後手前提で作られている」
ということです。
メイン土地21枚は先手だと少なく感じ、後手だと適正なイメージです。先手21枚でも1マナ生物5枚、タップイン3枚ならば土地を探しに行くアクションで占術土地キープしやすいですし、なくともラゴンナ→試練のムーブは先手だったらほぼ止められません。100%先手ならばラゴンナを抜いてサイドの占術土地を入れて22枚で先手キープ率を上げるように出来ます。ポイントは先手確実ということはゲームカウント1-1の3本目(もしくは0-1の2本目、いずれにせよ選択出来る)という事実です。相手によって強さがムラがあるラゴンナ団を抜き土地を追加する事も先手ならば正当化できます。
この真実にたどり着いた時正直鳥肌が立ちました、TomRoss恐るべし、と。
スイス最終戦でIDするかどうかの時も悩まずIDすることが出来ました。後手でも戦えるという自信があったため、バブルマッチに挑む必要が無かったのです。
続いてバント化した最大の理由、ドロモカの命令についてです。
・格闘
・カウンターを置く
・エンチャントをサクらせる
・スペルダメージを軽減する
まず特筆すべきは除去能力と同じ格闘です。ヒロイックを誘発するので1サイズ大きい相手でも除去出来て恩寵ならダメージはゼロです。元々育てておけばポルクラノスでも除去れます。
カウンターを置いて実質+2することも出来ますがこれは格闘と同一の対象を取ってしまうと1つしかカウンターが乗らないので併用する場合は違う対象を取れれば最大限能力を活用できます。それでも最低でも+2格闘は出来るので悪くは無いでしょう。
エンチャントサクりはクルフィックスを無条件で除去できエレボスの鞭のような致命的なエンチャントをメインから触れるように出来るのが便利すぎます。隆盛、熟達、繋ぎ止めなど触りたいエンチャントがあふれている環境ですので無駄になる事は少ないでしょう。
スペル軽減は状況が固定されるので活用の機会は少ないですが焙り焼き、神々の憤怒のような致命的なスペルを無効化出来ます。相手も2マナ立ってる状態で打つのは勇気がいるのでそうそうないでしょうが無いよりはましです。
何より苦手としていた魂火、ラブルを格闘で安全に除去し、火力を無効化して繋ぎ止めを壊せるドロモカの命令は最も必要な呪文でした。
マナベースも合流点4枚と一見痛そうですが基本リアクションスペル用に立たせてあるので動かなければ痛くなく、キルターンも早いデッキなので赤単系と当たらなければ気にならないレベルです。むしろアンタップマナベースとして4枚では足りないと思うときもしばしばありました。
そして最後に1枚積んである宝船の巡航。これはスーパーキャントリップ(笑)であり体制を立て直す必須パーツでした。フェッチを8枚取ってある以上何かしらの探査スペルを使おうと思い強大化をFNMで積んでいましたが明らかに汎用性を巡航の方が上で、劣勢を捲れるカードでした。負けパターンは大体除去打たれてクロックを残せない時なので墓地は十分肥えているはず。そこから打つ巡航は強いです。強大化は勝ちを確定させるカードなので用途がそもそも違います。フラッドしても巡航は使えるのでやはり巡航を優先させるべきでしょう。
と、いうわけで青白時代の弱点をカバーし強みをより際立たせたバントヒロイック、使用者は少ないですが見た目以上に強力なのでぜひ使ってみてください。きっと好きになりますよ。
先週末はバントヒロイックでFNMとPPTQに参加しましたが権利は取れませんでした。トータルで8-3-1とイマイチぱっとしませんがヒロイックの弱点を補完したドロモカの命令は収穫でした。PPTQは以下のデッキを75枚完コピで参加しています。
バントヒロイック デザイナー:Tom Ross
1:《森/Forest》
1:《島/Island》
4:《平地/Plains》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4:《マナの合流点/Mana Confluence》
3:《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
21 lands
4:《戦識の重装歩兵/Battlewise Hoplite》
4:《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite》
4:《イロアスの英雄/Hero of Iroas》
1:《ラゴンナ団の先駆者/Lagonna-Band Trailblazer》
4:《道の探求者/Seeker of the Way》
17 creatures
2:《液態化/Aqueous Form》
2:《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod》
4:《タッサの試練/Ordeal of Thassa》
1:《魂の基点/Center Soul》
4:《果敢な一撃/Defiant Strike》
4:《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》
4:《神々の思し召し/Gods Willing》
1:《宝船の巡航/Treasure Cruise》
22 other spells
1:《ラゴンナ団の先駆者/Lagonna-Band Trailblazer》
2:《僧院の導師/Monastery Mentor》
2:《氷固め/Encase in Ice》
2:《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod》
1:《アジャニの存在/Ajani’s Presence》
4:《頑固な否認/Stubborn Denial》
2:《宝船の巡航/Treasure Cruise》
1:《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
15 sideboard cards
まず特筆すべきはメインランド21、サイドに1枚落とされている啓蒙の神殿です。同様にメイン1枚のラゴンナ団の先駆者も見逃せません。
コピーデッキをプレイする上で最も気にかけるのがオリジナルのプレーヤーはどのような意図でこのような構築をしてどのようなサイドボーディングをするのかということです。
まずヒロイックをプレイして感じるのがフラッドすると死ぬという事です。3マナ以上のスペルを必要としないデッキなのでランドは2枚でも十分機能します。しかしリアクションカードを多数取っている為4マナまではスムーズに伸びてほしい、しかし5枚以上引くと死ねるという非常にデリケートな、ムラが無い引きを要求されるデッキなのです。巡礼者型はそもそも巡礼者が3マナなので多少土地を引きすぎても誤魔化せましたがスピード特化型はそうはいきません。土地22ではフラッドしてしまいます。なのですべてのヒロイック非巡礼者型は土地21枚で統一されています。
このマナベースは十分納得できます、しかし反面では矛盾が孕んでいるのです。4枚入っている果敢な一撃、いわゆるキャントリップスペルで潤滑油、ヒロイック、打点を満たす不可欠な要素です。ではサイド後、サイドアウトされるのは何でしょうか?
ヒロイックは全部で4つの要素で出来ています。
・土地
・生物
・オーラ
・リアクションスペル
どれが欠けてもデッキ完成度として片手落ちです。最低2枚の土地、最低1枚の生物、オーラ、リアクションスペル、これが初手で必要なのです。キープ基準は2枚の土地と1枚の生物で十分ですが、勝つためには試練とプロテクションが必要であり、それを引き込むのが果敢な一撃であり占術土地です。話を戻します、矛盾するようですがこの中でサイドアウトされるのが果敢な一撃なのです。3~5枚サイドインするにあたり全抜きはしませんが2、3枚の果敢な一撃はサイドアウトされます。理由は最も目的意識が薄いからと言っていいでしょう、少なくともキープ基準となり得ません。土地を伸ばすことが重要なコントロールのキャントリップと違いあくまでも生物を出してクロックを継続させなければいけないので生物は減らせません。オーラはヘリオッドの試練、液体化とありますがこれらは相手を選んで減らしますがクロック、回避を得るためには必要な要素です。
体感ですが後手で土地21枚は適正、先手で21枚は少ないという印象を受けました。3色デッキという事も少なかれ影響しています。青白英雄的では1マナ生物4、タップイン6のバランスでした。バントでは1マナ生物5、タップイン3です。正直タップインは少ないに越したことは無いですし、フラッドしたくないので土地21、タップイン無しが理想です。また1マナ生物を最大7枚は使用したいというアグロを維持するには必要な枚数もあります。
タップインを使用するという事は事実上1ターン目のアクションを放棄しているので0.5マナで占術しているようなイメージです。つまり3枚のタップインは1マナアクションに近いと言っていいでしょう。
1枚メインに入っているラゴンナ団、1枚サイドに入っている占術土地これらがここにある意図は何か?
使用していて1つの結論に達しました。
「このデッキは後手前提で作られている」
ということです。
メイン土地21枚は先手だと少なく感じ、後手だと適正なイメージです。先手21枚でも1マナ生物5枚、タップイン3枚ならば土地を探しに行くアクションで占術土地キープしやすいですし、なくともラゴンナ→試練のムーブは先手だったらほぼ止められません。100%先手ならばラゴンナを抜いてサイドの占術土地を入れて22枚で先手キープ率を上げるように出来ます。ポイントは先手確実ということはゲームカウント1-1の3本目(もしくは0-1の2本目、いずれにせよ選択出来る)という事実です。相手によって強さがムラがあるラゴンナ団を抜き土地を追加する事も先手ならば正当化できます。
この真実にたどり着いた時正直鳥肌が立ちました、TomRoss恐るべし、と。
スイス最終戦でIDするかどうかの時も悩まずIDすることが出来ました。後手でも戦えるという自信があったため、バブルマッチに挑む必要が無かったのです。
続いてバント化した最大の理由、ドロモカの命令についてです。
・格闘
・カウンターを置く
・エンチャントをサクらせる
・スペルダメージを軽減する
まず特筆すべきは除去能力と同じ格闘です。ヒロイックを誘発するので1サイズ大きい相手でも除去出来て恩寵ならダメージはゼロです。元々育てておけばポルクラノスでも除去れます。
カウンターを置いて実質+2することも出来ますがこれは格闘と同一の対象を取ってしまうと1つしかカウンターが乗らないので併用する場合は違う対象を取れれば最大限能力を活用できます。それでも最低でも+2格闘は出来るので悪くは無いでしょう。
エンチャントサクりはクルフィックスを無条件で除去できエレボスの鞭のような致命的なエンチャントをメインから触れるように出来るのが便利すぎます。隆盛、熟達、繋ぎ止めなど触りたいエンチャントがあふれている環境ですので無駄になる事は少ないでしょう。
スペル軽減は状況が固定されるので活用の機会は少ないですが焙り焼き、神々の憤怒のような致命的なスペルを無効化出来ます。相手も2マナ立ってる状態で打つのは勇気がいるのでそうそうないでしょうが無いよりはましです。
何より苦手としていた魂火、ラブルを格闘で安全に除去し、火力を無効化して繋ぎ止めを壊せるドロモカの命令は最も必要な呪文でした。
マナベースも合流点4枚と一見痛そうですが基本リアクションスペル用に立たせてあるので動かなければ痛くなく、キルターンも早いデッキなので赤単系と当たらなければ気にならないレベルです。むしろアンタップマナベースとして4枚では足りないと思うときもしばしばありました。
そして最後に1枚積んである宝船の巡航。これはスーパーキャントリップ(笑)であり体制を立て直す必須パーツでした。フェッチを8枚取ってある以上何かしらの探査スペルを使おうと思い強大化をFNMで積んでいましたが明らかに汎用性を巡航の方が上で、劣勢を捲れるカードでした。負けパターンは大体除去打たれてクロックを残せない時なので墓地は十分肥えているはず。そこから打つ巡航は強いです。強大化は勝ちを確定させるカードなので用途がそもそも違います。フラッドしても巡航は使えるのでやはり巡航を優先させるべきでしょう。
と、いうわけで青白時代の弱点をカバーし強みをより際立たせたバントヒロイック、使用者は少ないですが見た目以上に強力なのでぜひ使ってみてください。きっと好きになりますよ。
コメント
ずっとヒロイック使ってるのですごく参考になります。
ありがとうございます、一緒にがんばりましょう!