こんばんは、白キコです。

ついに明日からスタンダードの総決算、グランプリ神戸が始まります。私は参加できませんが本戦に出場される皆さん、ベストを尽くし楽しいグランプリになる事を祈っております。

さて今回「上告」について取り上げたいと思ったのは私自身が経験した事、それが一般的にどのように感じられるか?ともしそれが自分の身に降りかかってきた場合どのような行動を取るか?そしてそれが取れるのか?を考えて欲しかったからです。以下、自分の過去日記からの引用です、ご覧ください。




上告日記①

BMOレガシーでの出来事。ミラクルとのサイド後ゲーム2で相手の1ターン目で思案打ったタイミングで横のプレーヤーから「カードが床に1枚落ちてますよ」と指摘が入る。おそらくシャッフルの最中に落ちたようだ。ここでジャッジを呼んで裁定を仰ぐ。

(まあ、ゲームロスやろなあ)

と内心思っていたが裁定は警告のみ。

(なんでや!59枚でゲーム始めてるやろ!不正なデッキや!GLや!)

と思ったけど僕は偽善者で小心者なので対戦相手に

「よかったですね(ニッコリ)」

と心にも無い事を言ってしまう始末。こういう時上告してヘッドジャッジに裁定を委ねた方がいいものかね?競技レベルですよ、この大会。賞金も出るし。でも明らかに厳しい裁定を要望するっていうのは非紳士的行為だと思うしその後ゲームが続くと考えるとそこでギクシャクさせるのも嫌だなと直感的に思ってしまった。そんなこと言ったら逆に俺が非紳士的行為でGLもらっちゃうんじゃないか?実際どうなんだろこれ。


上告日記②

これもBMOレガシーの話。相手がRUGデルバーでサイド後、こっちのハンドにファイレクシアの破棄者があって場にはクリーチャー多数とカウンターが2個乗った薬瓶、土地がリシャポと地平線の梢と平地多数。

自分のアップキープに薬瓶の誘発スタックで地平線の梢のドローをしてそのドロー次第で薬瓶にカウンターを乗せるか、もしくは2で破棄者出してから溜めるかの判断を迫られる盤面。ここでジャッジにルールを確認。

「薬瓶にカウンターを乗せるのは誘発時に宣言するのか解決時に選べるのか」

フロアジャッジの裁定は「誘発時に乗せるか乗せないか選んでください」との事。

その裁定に従って俺は乗せるを選択してスタックして2で破棄者を盤面に出した。梢は起動せずに。んでドローはセラの報復者。解決時選べるなら梢起動してから2で報復者出してカウンター乗せなかったわ!

そして相手のパイロ喰らって盤面一掃orz

報復者出せてりゃ・・・、と思うも後の祭り。

でもこの手の誘発ってスタンの猛禽よろしく解決時に選べるんではなかろうかと思い複数のジャッジにゲーム後確認。そしたら全員「解決時に選べる」との裁定・・・。OHミスジャッジ・・・。

もちろんゲームが終わってからの確認なので巻き戻るはずも無い。ちょっとでも疑問に思ったらその場で上告してくださいとジャッジ&ヘッドジャッジから言われたけども、ねえ。まあその通りなんだけど。


上告日記③

①の状況はイレギュラーな状態だから正しい状態に戻す為にジャッジを呼んで原状回復してもらった。でもその裁定に納得がいかなかった→自分が有利になるように裁定を変えてほしかったっていう上告。これって悪意ある上告じゃないかな?もし上告に悪意も善意も無いっていうなら上告して納得いく裁定をヘッドジャッジに委ねるべきだったかもしれない。けど逆に非紳士的行為を取られるリスクがあると感じてしまったので躊躇った。よくJDさんは枕詞で「これは私の裁定です、あなたはヘッドジャッジに上告する権利があります」ってつけてくれるのを後から思い出した。これって大事だなーと。

②の状況はルールの確認でプレーヤー側は出来るかどうかあいまいだからジャッジに聞いた案件。フロアジャッジがこうですって言ったらなかなか上告しにくいよね。ここで上告するって状態は対戦相手から指摘が入って「それって出来るんですか?ジャッジに確認させてください」って相手から言われて「出来ません」ってジャッジに言われて「そんなはずは無い、上告します」っていう感じで自分の解釈に間違いがないって確信している時しかしにくくない?

昔ステップまたぎでマナが消えるルールになってすぐの頃にジャッジが「マナ消えません」って裁定出して「上告!!」ってなったのを対戦相手がやったのを見た事あるけどこれはプレーヤー側がしっかりルールを把握していたから出来たことでもしあいまいな理解だったらそのままフロアジャッジの裁定に従っちゃいそう。

ジャッジの人に今までどれだけ上告された事があるか尋ねたい。

上告される=ジャッジミスを疑われている?
上告する=フロアジャッジの裁定を信じていない?

いずれにしてもネガティブな要素で出来れば上告したくないと思ってしまう。

以下の事例が記憶に新しい↓
http://buzzmtg.blog.jp/archives/11860163.html


裁定が厳しすぎると感じても、裁定が緩すぎると感じても上告して非紳士的行為にならなければ上告していくべきなのだろうか?グランプリでジャッジ呼んだら非ジャパニーズジャッジ出てきて「チェンジ!」って言いたいことが何度あっただろうか。これも非紳士的行為?


今こうやってモヤモヤしてるぐらいならその場で呼ぶのが正解だったんだろうな、それで非紳士的行為もらっても納得出来たかもしれないし(偽善




いかがでしょう、あなたならその場でいずれの場合でも上告出来たでしょうか?


後出しでこの話題を出すとほとんどのプレーヤーは「上告すべき」と答えると思います。しかし自分が当事者で、目の前に対戦相手がいて、裁定を出したジャッジがいる局面で、上告する事が全員出来るのか?

私は出来ませんでした。理由は上記の通りです。


後日同様の内容を某ジャッジに聞いてみたところ、上告によって非紳士的行為を取られるかどうかは、その場の状況を複合的に判断する事が前提だそうです。

「ゲームロス、出せやオラ!」みたいな恫喝があった場合はさすが出されそうなものですが「一応、ヘッドジャッジの裁定を聞いてみてもいいですかね?」のような聞き方なら非紳士的行為には当たらないそうです。


しこりを残さない為にもジャッジを呼ぶべきですし、それでももやもやしたものが残るのであればヘッドジャッジ裁定を仰いで気持ちよく次のゲームを行う、もしくはゲームを続けるようにする事がお互いの為になると思います。

逆説的ではありますが「フロアジャッジが絶対ではない」「ジャッジでも間違う事がある」だからこそ「上告」という方法がルールブックに記載されているのだと思います。


最後にちょっと与太話を。

まだPTQがあった時代、某強豪プレーヤーがPTQのバブルラインを戦っていた時の事です。

そのプレーヤーは自身の初手を確認したところでジャッジを呼びました。

「ジャッジ、すみません、サイドボードのカードを混ぜたままゲームを始めてしまいました」

そのカードは《垂直落下(BFZ)》でした。

おそらくそのプレーヤーはゲームロスを覚悟したと思います。

しかし、そのジャッジの出した裁定はまったく違うものでした。

「分かりました、ではデッキを適正な状態に戻してください。そしてマリガンしたものと扱い、初手6枚で再度ゲームを開始してください」

私はその裁定に感銘を受けました、まるで童話の「金の斧、銀の斧」みたいな話ではないかと!

つまりそのジャッジは正直に不正な状態を申告したプレーヤーの清廉さ、心意気、正しくゲームをプレイしたい、その為に自分を誤魔化すことはできないという精神性に対して判断を下したのです。そのプレーヤーがもし自分ならどうしたでしょうか?

「正直に申告する?」
「何食わぬ顔でゲームを続ける?」
「とりあえずマリガンしてうやむやにする?」


・・・とにかくこのプレーヤーは正直に申告し、ジャッジはそれに応えた、という事です。当たり前と思うかジャッジがぬるいと思うかは人それぞれかと思いますが、このようなプレーヤーになりたいと思ったしこのような判断が下せるジャッジの大会でゲームをしたいと心から思いました。

そのプレーヤーはプロツアーに出場する強豪であり、そのジャッジは日本で数少ないレベルのジャッジである事をあえて記載したいと思います。

いい奴ばかりじゃないけど、悪い奴ばかりでもない、どこの世界も同じなのだなあと呟きながら西の方に思いをはせる白キコなのでした。

コメント

AKKA
2015年11月21日0:13

少しでも違和感や疑問が生じたのならば上告すべきだし、それ以外であれば納得は出来ているはずなので上告はしないのかなーと。ありきたりな答えで申し訳ないが。

>秘密
 一体誰ナベなんだ…

白キコ@ISSA
2015年11月21日0:48

>AKKA
ルール作用では無くて当事者心理ってやつよね。
>ひ
アルファベット4小文字な童顔三十路ミスター先に行くよ。

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